キチガイババアvsオレ 開幕戦
↓前話↓
https://bbavsore.hatenablog.jp/entry/2019/01/17/215520
さらに半年が経過した2018年12月3日、帰宅してドアを開けると1通の手紙が入っていた。
いや、手紙というよりはメモだった。汚いルーズリーフの切れ端に汚い字で書かれたメモが玄関に落ちていた。
「毎日毎日上の女のタンス引きずる音と争ってる音うるせぇぞ!
いい加減静かにしろ!!
管理会社に電話してどうにかしろ!
上の女に文句言いに行け!男だろ!
直接会って早く解決してこい!
上の女は嫌がらせをする女です。」
現物は後に空き巣事件によって盗難に遭い写メも消えてしまった為、記念すべき最初の手紙が記憶による再現になってしまったのが残念だが、にしてもツッコミ所があまりにも多い。
- 送り主が分からない
- ほぼ家にいないのでタンスの音を知らない(故に争いなど毛頭する気もない)
- 同じくほぼ家にいないので音を立てていない(ドライヤーの風量も夜は最小にする等、細かい配慮はしている)
- 管理会社に文句は自分でやれ
- 上の女に文句も自分でやれ
- 全部自分でやれ
- 最後の1文だけ敬語にしとけば許されると思うな
とまぁ色々出てくるが、とにかく「なんか…すごい勘違いされてるなぁ…」と思った。
基本的に8:30〜22:30くらいの間は家に居ないので、上の女がどうとか言われても知った事ではない。
休みの日もたまに足音とか水の音とか聞こえる事はあるけど、最低限の生活音という感じで不快ではない。
そして自分も家ではせいぜい食事、洗い物、洗濯、シャワーと睡眠ぐらいしかしないのでこの程度で騒音を騒がれたとしても知った事ではない。(さらに前述でオレの静かさは西のババアのお墨付きである)
ふと深夜に自分が放映しているエッチエチ動画の音が漏れてたのでは…とも思ったが、毎回確実にイヤホンを差し込んでいるのでそれもあり得ない。
なのでこのメモの差出人は上の女の音と意味不明な謎の音を同時に聞き取って勝手に騒音だと騒いでるんだろう。
そう思うとこの世にこんな哀れなババアもいるのかと思って悲しくすらなってきた。
しかしここで、差出人がどちらのババアなのか分からない。
この騒ぎ方をしてる以上、隣接してる東西のババアどちらかであるのは確定としてどっちのババアなのかが定まらない。
(西のババアであれば話せば分かるかもしれないし…いやでもあの西のババアがこれ書いたならもう末路だろ…なにも信じられん…無理無理…)
(東のババアであれ!)
(でも両ババアから言われるなら分かるけどどっちかのババアにだけうるさく感じるっておかしくないか…?)
(東のババアであれ!)
(西のババアならオレが家にいない事も知ってろうしな…)
(東のババアであれ!)
考えても分からない上に知らないうちにオレの中の西のババア陣営が擁護しようとしだすので、メモ1枚来ただけだし…と思って問いただすのはとりあえずやめることにした。
ババアVSオレたち
↓前話↓
1年の月日が経った2018年6月のある日、スマブラ大会をやるべく3人の客を招き入れた。
オレを含めたこの4人のメンバーは田舎にいた時から事あるごとにスマブラをやる癖がある。
バカの1つ覚えのようにスマブラをやるので、
「5,6時間スマブラをやっては桃鉄をやる」の繰り返しをする為にしか、脳も身体も反応を示さなくなる。
時々ボンバーマンをやる事もあったが、下手くそな1人が集中爆撃を受けた時にブチギレて理性を失いコントローラを破壊した事があったので、基本的にスマブラと桃鉄にしか平和は訪れないと思っている。
そんなわけで前年までは住む場所がちがった4人だったが、進学やらなんやらで札幌に集結したのでまずやる事と言ったらスマブラである。
そして時間が経つにつれヒートアップしていく。
すると午前3時ぐらいに、1人のドンキーコング使いが調子に乗り始めた。
出る杭は打ちたくなるので3人でそいつをボコボコにするのがいつもの流れである。
しかしあまりにもやられるので徐々に理性を失い始め、午前3時なのに奇声を上げはじめた。午前3時なのに。
一撃を食らうたびに叫び、一撃を与えるたびにそいつは叫んでいる。
これもいつもの流れなのでやはりヒートアップを避けられない。
「うぉ〜!ゴリコプタ〜〜!!」
これはドンキーコングのB+上の必殺技である。
この時もう苦情が来ることを確信したが、既に手遅れなので若さのせいにして突き通そうと思った。
そして午前4時頃、ついに外から怒鳴り声が聞こえた。
「うるせぇぞこのクソ野郎!!」
ババアの声だ。
大事な事はスマブラから教わった。
危険を感じたらすぐに守りの態勢を整える。
4人はものの数秒で一斉に倒れ込み、電気を消しテレビを消し、即座に就寝した。
彼らは多分突然の空襲とかにもしっかり対応できる、そういう人間だろう。
この声が西のババアか東のババアかは分からない。
でもこの口の悪さならきっと東のババアだろう。
あの優しげな西のババアがもし「クソ野郎」とか言えちゃったなら真のサイコパスだな…。
色々考えて次回ババアに会った時に謝罪でもしとくか、と思って眠りについた。
次の日、予想通りしっかり管理会社からクレームが入った。
軽い注意を受けた程度だったので丁寧に謝罪をしてとりあえず事なきを得た。
この時うっかりどっちのババアからクレームが入ったのか聞き忘れていた。
とりあえず会ったらどっちにも謝罪するか…ババアなんてどうせばったり会うしな…
しかしこの後、東西のババアと会う事は2度と無いまま今を迎える事になる。
次回!『ババアよ!お前は天使なのか悪魔なのか!』(悪党どもに祈る言葉などない)
続・ババアとの出会い
↓前話↓
1週間後、再び玄関前で西のババアと遭遇した。
前回発動したババアキラーによって西のババアはオレの手の中にある。
つまり話しかければ長話になってしまう確率が高いという事で、急いでいるから避けたい。
しかしあっさり目が合ってしまった。
目が合ったら始まってしまうというのは小さい頃にポケモンで教わった。
オレ「こんにちは〜」
ババア「あらこんにちは!お兄ちゃん静かでいいわぁ〜!ウチのイッヌ、吠えてうるさいかもしれないけどごめんね〜!」
オレ「いや〜ほとんど家に居ないですし大丈夫ですよ!」
ババア「あら〜本当!しかし真面目に働いてて偉いわねぇ〜ウチの孫なんてねぇ未だn」
オレ「アハハ…それじゃあ行ってきます!」
ババア「は〜い気をつけて〜」
(なんでババアって忙しい時に長話を仕掛けるのか)
(ババアってあら〜から話し始めないと心臓とか止まって死ぬのかな)
(いや東西のババアのギャップがすごい!!)
テキトーに会話を流し、出発した。
1週間の間に東のババアから何度無視を食らったことか。
おかげで同じババアでもババア質のはっきりとした違いを学ぶ事ができた。
良質なババア質を持つババアと、悪質なババア質を持つババアを見極めるスキルはきっとこの高齢化社会において役立つだろう。
しかし東のババアとは一生会話をするどころか声を聞くこともなさそうだし、呼吸音も聞きたくない…
と、ここでふと西のババアとの会話を思い出す。
なんと「気づかないうちに騒音で迷惑をかけてたかも…」という懸念が見事に消え去ったのだ。
西のババアに「静かで良いわぁ〜!」と言われたからである。
オレは音波を操る能力はないので西のババアには静かに感じて東のババアにだけうるさく思わせる事はできない。
つまりこれで東のババアが挨拶を返さない理由は、
- 他人と一切関わりたくない
- 言葉の発し方がわからない
- 口を開けた瞬間肺に空気が入るのが嫌だ
とまぁどれを取ってもクソだという事になる。
聴力、舌、喉などに障害があったとしてもこちらのお辞儀が見えているはずなので会釈程度は返せるし、杖等を使わず普通に階段を上り下りしてるので視力にも問題はない。
ババアの内面的な問題だという事が分かった。
ババアの内面なんて考えてたら猛烈に気が狂ってしまうのでこれもやめる。
これがババアとの出会い。
ババアとの出会い
↓登場人物↓
2017年4月某日、スラム街のような田舎を飛び出し、念願の都会へと引っ越してきた。
この時自分が「スラム街」から「超スラム街」へ引っ越していたとは思いもせず…
普通にワクワクしながら玄関のドアを開けると、1人のババアと遭遇した。
それは西側の隣の部屋に住んでいるババアで、かなり愛想が良いババア。
それはもうどこにでもいるババアで、THEババアって感じのババア。
あーババアだな〜
っていう感じのババアだった。
「あら〜最近引っ越してきたのね!親元離れて仕事するなんてまあ偉いのね〜!」
早速ババアキラーを発揮したオレは秒速で仲良くなった。
ババアにはなぜか昔から好かれる傾向にある。
幼少期はさながら、今なお見知らぬババアに声を掛けられたり話して盛り上がる事がよくある。少し前には化粧の濃いババアから求愛を受けたこともある。
いや全く何のメリットもないし頼むから若い女の子から好かれたい。
一方で明くる日、東側の隣の部屋に住んでるババアとも遭遇した。深めに帽子をかぶり、サングラスに黒尽くめの格好でどちらかというとマダムのような、婦人って感じのババア。
オレ「おはようございます!」
ババア「スンッ」
オレ(…聞こえてなかったかな?)
オレ「おはようございます!!」
ババア「スンッ」
オレ(ああ、だめだこいつ。ダメなやつだ。)
完全に完璧でパーフェクトな無視を食らった。
オレのババアキラーが打ち破れた瞬間である。
そしていわゆる「ロウガイ」である。
ロウガイを持つ高齢者に対峙すると、しばしば歯が立たない。
だが、隣人の挨拶を返す事なんてものは語る必要もないくらい最低の常識・マナーである。
それをしなかったということはもはや意識的に
返さなかったようにも思えてきた。
「挨拶を返す能力は持ち合わせているが、それを発動するに値しない人間だと思われたんじゃないか」
と考えると、もしかしたら騒音か何かで気づかないうちに迷惑をかけてしまっていて単に嫌われているだけの可能性もある。
そして嫌いな人間には挨拶も返さないタイプのババアなのかもしれない。
というテキトーな理屈も考えたりした。
非常に気分が悪いが、そして育ちも悪いが、一応隣人である以上は好印象を持たれるに越したことはないだろう。と育ちが悪いなりに思いその後も何度か遭遇するたびに挨拶はしたものの、全部「スンッ」とされるのでもうやめることにした。
こんなババアなんかに挨拶をする為に口を開き舌を動かし音を発するなんて時間もエネルギーも全て無駄だ。